道心いずこ

勤め人。不惑を超え、妻子あり、老父母あり。 思うことあり、実家の菩提寺とは異なる宗派で、昨年得度を受ける。 仕事から少しずつフェードアウトして、僧籍を視野に入れつつ、第二の人生を考慮中。 思春期から、視覚で「見える」ことはなくても、違う感覚で「わかる」人。 霊感と霊性、宗教と世俗について、思うことをつづります。

利他について

日本は大乗仏教の国なので、特に利他を説く。

自利とは利他のことなり、ともいう。

 

でもね、利他って何だろう。

 

宗教の利他の「他」は、世俗の人だけでなく、あらゆる生き物である衆生を示すはず。

仏の利他は、世俗の人にだけ目を向けているのではなく、あらゆる生き物に目を向けているはず。

 

世俗の利他なら、宗教なぞいらない。

社会科学と臨床心理学でもあれば、十分だ。

 

宗教の利他は、社会科学と臨床心理学を超えたところにある。

宗派は異なるが、澤木興道老師の「むさぼらぬ、ほしがらぬ」が、宗教の利他だろう。

欲をおこし、争いを起こすことなかれ。